ブルーラジカルのデメリットとは?費用・適応外・限界を歯科医が解説

ブルーラジカルとは、過酸化水素と青色の光を組み合わせて歯周ポケットの中の歯周病菌を減らす、歯周病の治療機器です。歯ぐきを切らずに深い部分の細菌へアプローチできる新しい選択肢として注目されています。一方で、万能の治療ではありません。主なデメリットは次の5つです。
- 自費診療で費用がかかる
- 歯石は取れないため、従来の治療との併用が必要
- 骨が大きく失われた歯には限界がある
- 持病や妊娠などで受けられない場合がある
- 効果を保つにはセルフケアと定期メンテナンスが必須
この記事では、それぞれの内容と、どんな方に向いている治療なのかを分かりやすく解説します。
ブルーラジカルとは?仕組みを簡単に解説
ブルーラジカルは、3%の過酸化水素水を歯周ポケットに注ぎながら、青色の光を当てる治療です。薬剤と光が反応すると「ヒドロキシルラジカル」という酸化力の強い活性酸素が生まれ、歯周病菌を殺菌します。東北大学発の技術で、2023年7月に医療機器として承認され、2024年1月に販売が始まりました。登場して間もない治療のため、メリットとあわせてデメリットも理解したうえで選ぶことが大切です。
デメリット1:自費診療で費用がかかる
ブルーラジカルは、現時点では健康保険が使えない自由診療です。費用は医院によって異なりますが、1歯あたり1万〜3万円程度が目安とされ、治療する歯の本数が多いほど負担は大きくなります。治療後は3〜4か月に1回程度の定期メンテナンスも必要なため、長い目で見た費用も考えておきましょう。なお、初診の検査や歯石除去といった基本的な歯周病治療は、保険で行える場合があります。受ける前に、総額の見積もりを確認してください。
デメリット2:歯石は取れないため、従来の治療が必要
ブルーラジカルは細菌を減らす治療で、歯石そのものを取り除くことはできません。歯石は細菌のすみかになるため、先にスケーリングやルートプレーニング(歯の根の表面をきれいにする処置)で歯石や汚れを取り除く必要があります。「ブルーラジカルだけで歯周病が治る」のではなく、従来の治療に上乗せして使うものです。また、細菌が減ることと歯周病が治ることは同じ意味ではない点にも注意が必要です。
デメリット3:骨が大きく失われた歯には限界がある
歯周病で溶けてしまった歯を支える骨を、ブルーラジカルで元に戻すことはできません。骨の破壊が大きく歯がぐらぐら動いている場合や、強い炎症・膿が続いている場合は、十分な効果が期待しにくいとされています。喫煙している方や糖尿病のある方も、改善効果が限られることがあります。深い歯周ポケットが浅くならない場合は、歯周外科治療が必要になることもあります。
デメリット4:受けられない方がいる
次のような方は、治療を受けられない、または慎重な判断が必要とされています。
- ペースメーカーを使用している方
- 光に過敏に反応する(光線過敏症の)方
- 妊娠中の方
- 過酸化水素や麻酔薬などにアレルギーがある方
- 「無カタラーゼ症」という体質の方
対象の条件は医院や機器の基準によって異なります。持病や服用中の薬、妊娠の可能性がある場合は、必ず事前に歯科医師へ伝えてください。
デメリット5:刺激感や効果の持続に注意が必要
痛みや熱はほとんどないとされていますが、過酸化水素による歯ぐきへの刺激や、治療後の一時的な知覚過敏、鈍い痛みが出たという報告もあります。また、治療で細菌が減っても、口の中に残った菌や唾液中の菌が再び増えれば、細菌の膜(バイオフィルム)は再びできてしまいます。効果を保つには、毎日の歯みがきと、3〜4か月ごとの定期メンテナンスが欠かせません。5〜10年といった長期の追跡データはまだ多くないため、長期的な成績は今後の報告も見ていく必要があります。
ブルーラジカルの治療の流れ
一般的な流れは次のとおりです。まず歯周病検査で歯周ポケットの深さや骨の状態を調べ、歯石除去などの基本治療を行います。そのうえで、歯周ポケットに過酸化水素水を注入しながら青色の光を当てます。1回の照射時間は約5分が目安です。その後、歯ぐきの状態を再評価し、必要に応じて複数回に分けて行います。治療後は、3〜4か月ごとの定期メンテナンスに移ります。
ブルーラジカルの主なメリット
デメリットの一方で、メスを使わずに歯周ポケットの深い部分へアプローチできること、術後の腫れや痛みが比較的少ないこと、処置時間が短いことはメリットといえます。抗菌薬と違って耐性菌のリスクが低いとされる点も特徴です。デメリットとメリットの両方を比べて、ご自身の状態に合うかどうかを判断しましょう。
ブルーラジカルが向いている方・向いていない方
向いているのは、中等度から重度の歯周病で外科治療をできれば避けたい方、従来の治療をしても再発を繰り返す方、歯周ポケットが深く通常の器具が届きにくい方です。向いていないのは、骨の破壊が非常に大きく歯が大きく動いている方、上記の受けられない条件に当てはまる方、セルフケアや通院の継続が難しい方です。
受ける前に確認したい3つのポイント
- 総額の費用:治療する歯の本数、基本治療やメンテナンスの費用を含めた総額を確認します。
- ご自身の歯周病の進行度:歯周病検査の結果から、ブルーラジカルが適した状態かを歯科医師に判断してもらいます。
- 全身の状態:ペースメーカーの使用、妊娠、アレルギーなど、治療に影響する事情がないかを事前に伝えます。
ブルーラジカルのよくある質問
Q. ブルーラジカルは保険が使えますか?
A. 現時点では自由診療で、ブルーラジカル自体に保険は使えません。検査や歯石除去などの基本治療は、保険で行える場合があります。
Q. ブルーラジカルは痛いですか?
A. 熱や痛みはほとんどないとされています。治療後に一時的な知覚過敏が出ることはあります。
Q. スケーリングや歯周外科治療との違いは何ですか?
A. スケーリングは歯石や汚れを物理的に取り除く治療、歯周外科治療は歯ぐきを切開して深い部分を直接きれいにする治療です。ブルーラジカルは、切らずに歯周ポケット内の細菌を殺菌する治療で、歯石除去の代わりにはなりません。
Q. 1回で歯周病は治りますか?
A. 治りません。1回の照射は約5分と短時間ですが、症状によっては複数回に分けて行い、歯石除去などの基本治療と定期メンテナンスも必要です。
まとめ
ブルーラジカルは、切らずに歯周ポケットの細菌を減らせる有力な選択肢です。ただし、自費診療で費用がかかること、歯石は取れないこと、失われた骨は戻せないこと、受けられない方がいること、セルフケアが欠かせないことを理解して選ぶ必要があります。歯周病は、検査で進行度を正しく把握し、自分に合った治療計画を立てることが最も大切です。気になる方は、まず歯科医院で歯周病検査を受け、担当の歯科医師に相談してみてください。
北九州でブルーラジカル治療をお探しの方はお気軽に当院にご相談ください。






